INVOICE(インボイス)とは?

貿易の仕事に欠かせない書類のひとつに、”INVOICE”(インボイス)があります。
この”INVOICE”について、貿易初心者の方にもできるだけわかりやすいように説明してみたいと思います。

INVOICEには種類があります

INVOICEといっても、実は種類があるのをご存知でしょうか?

INVOICEの種類用途・目的
PROFORMA INVOICE見積書(稀)/ 送金依頼用
SHIPPING INVOICE送り状 / 通関用
COMMERCIAL INVOICE通関用 / 請求書 / 最終インヴォイス

それぞれ、簡単に説明してみますと・・・

PROFORMA INVOICE

「仮インボイス」とも呼ばれ、企業によってはESTIMATEの代わりに見積書として使用する場合もあります。
その他には、送金依頼をする際に取引条件に加えBANK INFORMATION(振込先の情報)を明記したうえで、あえてその他のINVOICEとは別にPROFORMA INVOICEを立てることがあります。特に、支払条件が「受注時◯◯%、出荷前◯◯%」などとわかれている場合などは、PARTIAL PAYMENT / BALANCE PAYMENTであることがわかるように、あくまで送金目的の書類として作成されることがあります。
一般的には通関書類として使用されることはなく法的効果もないと考えられますが、国や地域によっては通関に際して提示を求められることもあります。

SHIPPING INVOICE

シッピング・インボイスには「送り状」の役割があります。
もともとは後述のCOMMERCIAL INVOICEとは別物として認識されていましたが、昨今ではあえてSHIPPING INVOICEを作成し提出を求められるケースは少ないように思います。書面上に”INVOICE”とだけ明記しており、それを送り状や通関用として利用される事業主も多くみられます。事業主によっては、輸送時にはSHIPPING INVOICEを、請求用としてCOMMERCIAL INVOICEと意図的にわけて作成されることもあります。

COMMERCIAL INVOICE

「税関申告用」「請求書」のほかに、取引相手との「(契約内容の)最終確認」として〆の意味合いが含まれる場合があります。商品明細やお互いの参照番号、最終的な受注価格を明記することはもちろん、輸送の際のシッピングマークや追跡番号を明記してもよいかもしれません。出荷が分納になった場合、支払いが数回にわかれた場合など、一案件の締めとして作成されることがあります。

使い分けは必須??

INVOICEの種類を3つ紹介しましたが、簡単にいうと”INVOICE”とだけ明記して作成・提出しても特段問題はありません。あくまで、当事者間における齟齬や社内の関連他部署との認識のずれを未然に防ぐ目的でこれらを使い分けることが多いでしょう。

INVOICEの記載内容について

では、INVOICEとはどのような書類で何が書かれているのでしょうか? 
日本の企業からアメリカの企業への機械部品の輸出を想定したサンプルを見てみましょう。
※ 記載の情報はすべて架空のものです。

①自社(shipper /荷主)の社名、住所、連絡先、ロゴ(あれば)等をデザインします
②当該商品の売り先(客先の社名、住所、連絡先、担当者名)
③荷受人が②と異なる場合はここに詳細を明記します
④当該インボイスの番号を振ります(番号は任意)
⑤当該インボイスを作成した日
⑥当該注文の内容(注文書番号、注文書の日付、L/C番号、見積書番号、等)
⑦通貨
⑧原産国
⑨支払条件
⑩仕向地
⑪輸送方法
⑫送料の負担(元払い/着払い)
⑬出荷日(出荷予定日)
⑭取引条件(= インコタームズ®2020)
⑮項目番号
⑯数量
⑰商品明細(名称、品番、型式、仕様、等)
⑱単価
⑲総額(= 数量 x 単価)
⑳小計
㉑FOB諸費用
㉒海上輸送諸経費
㉓アメリカ・サンフランシスコ港までの総額(インコタームズ®2020 = CIF)
㉔振込先の銀行口座明細
㉕シッピングマーク(荷印)
㉖署名欄

まとめ

INVOICEは、業界、商品や企業によっても記載する内容は変わります。「こう記載しなければならない」という明確なルールもありませんが、とはいっても特に税関に申告するうえで最も重要な書類である以上、何が必要であるかしっかり理解し、きちんと明記し業務を遂行されたいものです。

以上、この記事が少しでも皆様のお役に立つことができれば幸いです。

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