海外業務におけるコレポンについて

海外業務において、いわゆるコレポン(=コレスポンデンス、英: correspondence)は取引を円滑に進めるための重要な手段です。
国や地域による文化の違いは、コレポンの内容の不十分さにより表面化され、誤解やトラブルを生む要因となることが多いのも事実です。具体的には、言語表現、時間感覚、意思決定の方法、ビジネスマナーの違いが現実的な問題としてよく挙げられるところでしょう。

まず、言語表現の違いによる問題があります。

例えば、日本では曖昧で婉曲的な表現が好まれるのに対し、欧米諸国では結論を明確に述べる直接的な表現が一般的です。この違いによって、日本側の「検討します」という表現が、相手には前向きな返事と誤解されることがあります。
解決策としては、なるべく婉曲で曖昧な表現を避け、可否や期限を具体的に明記することが重要になります。また、英語での定型表現やビジネス英語の慣用句を理解し、相手の文化に配慮した文章を書く必要があります。

特に海外から仕入れをしている事業主においては、調達または製造への着手、納期に関わってくることですので、いまやりとりをしている内容が既に正式発注・指示であるのかそうではないのか、あえて具体的に言語化する方がよい場合もあるでしょう。

次に、時間の感覚の違いも大きな問題です。

日本では納期の厳守が強く求められる一方、国によっては多少の遅れが許容される場合もあるのが実際です。その結果として、納期遅延に対する認識の違いから信頼関係が損なわれることもあります。
この問題を防ぐためには、納期や回答期限を具体的な日付で明示し、遅延が発生する可能性がある場合には早めに連絡を取ることが有効でしょう。

具体的には、”Subject to stockout”(在庫切れ御免)や”Excluding national holidays in Japan”(日本の祝日をのぞく)、”____ working days”(◯◯稼働日)などを見積書、契約書、注文書、受注確認書等へ明記するとベターです。

さらには、意思決定プロセスにおける違いも無視できない要素です。

日本企業は社内調整に時間をかける傾向がありますが、海外の企業は個人の裁量で迅速に判断する場合が多いのです。この違いを理解しないままでやり取りを行うと、「返事が遅い」「拙速すぎる」といった不満が生まれる要素となってしまいます。相手国の商習慣を事前に調査し、意思決定に必要な時間を考慮したスケジュールを組むことが解決策となるでしょう。

相手国に関する情報は、JETRO(日本貿易振興機構)のウェブサイト等でもリサーチが可能です。

以上のように、文化の違いによる貿易コレポンの問題は多岐に渡っており、相手国の文化や商習慣を理解し、明確で丁寧なコミュニケーションを心がけることで、多くのトラブルは回避できます。まずは異文化理解を深めることが、国際取引を成功に導く鍵となります。

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