“ESTIMATE”と”QUOTATION”の違い、ご存知ですか?

外国の企業との取引においても、商品を購入(買い/輸入)する場合に見積りを依頼したり、反対に商品を販売(売り/輸出)する場合に見積りをすることがあります。

こういう商取引の場面において登場する「見積書」について簡単に説明したいと思います。

この「見積書」について、英語では“ESTIMATE”または“QUOTATION”(稀に”QUOTE”とも)が使われることがほとんどです。

では、この“ESTIMATE”“QUOTATION”の違いを簡単にみてみましょう。

まず“ESTIMATE”は、わかり易くいうと「概算見積り」を意味します。
「概算」ということで、「(受発注時には)価格の上下、納期の前後の可能性があります」というニュアンスを含んでいます。商品の価格や為替の変動に余裕を持たせておきたい場合など、まずは”ESTIMATE”として修正の余地を残して提出することを検討しましょう。

一方、“QUOTAION”は、受発注のベースとなるいわば「最終見積り」を意味します。
“QUOTATION”は一般的に”PURCHASE ORDER”(発注書)のベースとなりますので、基本的に提出後の価格や条件の修正はルール違反となります。要は、「(提出後は)修正が効かない」と考えておいた方がよいですね。

とはいえ、見積書の提出後に修正の必要性が出た場合にそれが認められるか否かは、実際には取引相手との関係性によるところが大きいと言えます。お互いによく知らない状態での初回取引においては、ひょっとすると修正を拒まれてしまうかもしれませんし、長年に渡って公私共にお互いによく知っている間柄であれば、修正を大目に見てくれるかもしれません。

また、慣習的に“PROFORMA INVOICE”を「見積書」として使用するケースも見られます。この”PROFORMA INVOICE”は仮インヴォイスと呼ばれ、送り状や送金目的などでも使用されることがありますが、いずれも受発注後(= 取引条件確定後)の書類としての機能を持ちますので、見積りの段階では上述したような”ESTIMATE”または”QUOTATION”を使用する方が望ましいかもしれません。

余談ですが、海外取引において「見積りする」というフレーズ、「見積り」という作業そのものを、英語で“OFFER”で表しますね。されに、相手からの“OFFER”に対して反対申し込みをすることを“COUNTER-OFFER”といい、文章では”make a counteroffer”と表現します。

普段の業務において何気なく慣習的に使われていることが多い書類、言葉ではあるかと思いますが、「いざ」という場面に備えて使い分けをされてはいかがでしょうか。この記事が皆さまのより安全なお取引の一助になれましたら幸いです。